なぜ どうして 血糖値は上昇するのか?
食物は腸管で消化され、栄養として吸収されます。炭水化物の一種であるブドウ糖は体内へ吸収されてから、血液を通じて体中の様々な組織に配られ、エネルギー源として利用されます。血液中のブドウ糖濃度が血糖値であり、血糖値を下げるホルモンがインスリンです。食物の消化・吸収などをきっかけに血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは脂肪、筋肉、肝臓に働きかけ、それらの臓器でブドウ糖の貯蔵が促されることにより血糖値が低下します。
糖尿病患者では、インスリン分泌量が減少したり、脂肪、筋肉、肝臓においてインスリン作用が発揮できないことによって(インスリン抵抗性)、血糖値が上昇します。1型糖尿病は、免疫になんらかの不具合があり、インスリンを分泌する細胞が免疫細胞による攻撃を受け、インスリン分泌が極端に低下する病気です。また、2型糖尿病は、肥満や運動不足によって生じるインスリン抵抗性と、インスリン分泌の減少が重なることで、血糖値が上昇すると考えられています。
インスリン分泌量が減少するメカニズムについては明確ではなく、世界中の科学者が解明向けて懸命な努力を続けています。インスリン抵抗性に関しては、肥満(特に内臓脂肪の蓄積)や運動不足が原因であることがわかっています。ダイエットや運動に取り組むと、インスリンの効果が高まる(インスリン抵抗性が低下する)ので、血糖値の低下が期待できます。
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